筋トレで健脚

筋トレで、ずっと健脚 高齢者のジム通い広がる

無理なくゆっくり/専門家と一緒に
筋力トレーニングに取り組む高齢者が増えてきた。
いつまでも元気な体を維持して、健康でいるには筋肉を増やすことが欠かせないためだ。
ただ、やり方を間違えると筋肉が付かないばかりか、ケガをしてしまうこともある。

何歳でも効果
筋肉の量は通常20代がピークだ。
普通の生活を送っていると、毎年1%ずつ筋肉が減っていく。
学生時代に鍛えていても、運動をやめてしまえば加齢による衰えは平等に訪れる。
それでもトレーニングをすれば何歳でも効果が出る。
海外の研究では90代の人でも筋肉が増えた。
若い頃よりも成長はゆっくりだが、何歳になっても遅すぎるということはない。
 
しっかりウオーキングをしているから筋力も大丈夫・・・。
こんな人も注意が必要になる。
ウオーキングのような有酸素運動は、代謝を良くして脂肪を落とすには効果的。
だが筋肉への刺激は乏しく、ウオーキングだけで筋力を保つのは難しい。
もともと下半身は上半身よりも速いスピードで筋肉が衰える。
 
だから筋トレで最も鍛えるべきなのは太ももと尻の筋肉だ。
こうした下半身が強くなれば、転倒しにくくなるほか、出歩くことが楽になり、活動の範囲も広がる。
 
足で重りを押す、
ひざを伸ばす、ひざを曲げる、といった種目が中心だ。
それぞれの種目を10回×3セット行う。
2~3日休んで週2回のペースでできれば理想だ。
毎日やると筋肉が疲れ切ってしまい、かえって筋肉が落ちることもある。
 
高齢者のトレーニングの原則は「無理なくゆっくり」。
運動をしていない高齢者はストレッチだけで骨折することもある。
血圧の危険もあるので、軽い負荷をゆっくり上げるのがいい。

重りを約4秒かけて上げ、約4秒かけて下ろす。
注意点は関節を伸ばしきらずに、筋肉にずっと力が入っている状態を保つこと。
筋肉が酸素不足になり激しい運動だと判断する。
すると筋肉が付きやすい。

フォーム正しく
ゆっくりやるとフォームも確かめやすい。
筋トレもゴルフや野球と同じ。
正しいフォームが上達への近道だ。
できるなら最初はジムに行ってインストラクターにフォームを教えてもらおう。
フィットネスクラブも昼間の時間帯は高齢者ばかりなので、初めての人でも気軽に利用しやすい。
無料で見学や体験もできるところが多いため、近くのジムを一回のぞいてみるのもよい。
 
ジムに行きにくいという人は、自宅でのスクワットから始めてみる。
屈伸運動のように膝を前に出すとケガをしやすい。
机に手をついて、イスから立ち上がるときのように、つま先の真上に膝がある状態が理想的。
確実なフォームで3セットできるようになったら、重りを増やしたり、回数を増やしたりしてみよう。

  ◇   ◇

たんぱく質 十分に摂取
レーニングと同じくらい大事なのが栄養だ。
レーニングで筋肉に刺激を与えると、体は成長ホルモンを出して筋肉を太くしようとする。
しかし材料になる「蛋白質」が無ければ筋肉をつくれない。
 
年を取って食事量が減ってしまうと、蛋白質を十分取れていないことが多くなる。
朝昼晩に、蛋白質を多く含む肉や魚、大豆、卵、牛乳などをしっかり食べるほか、トレーニング直後に蛋白質を粉末状にしたプロテインを取ることも有効。
 
筋肉を付けるには休養も欠かせない。
しっかりと規則正しく、十分に眠ることが必要だ。
次のトレーニングのときに疲れが残っているようだったら、無理をせずに休んだほうがいい。

 
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参考
日経新聞・夕刊 2016.4.14