がんを防ぐ方法や食品などの情報が、巷間にあふれています。
多くは科学的根拠がなかったり、あいまいだったりします。
国立がん研究センターは、複数の疫学調査を組み合わせて、がんに与える生活習慣などの影響を調べています。
多くは科学的根拠がなかったり、あいまいだったりします。
国立がん研究センターは、複数の疫学調査を組み合わせて、がんに与える生活習慣などの影響を調べています。
2005年の推計では、がん全体のうち、生活習慣や感染症が原因のがんは男性で約5割、女性で約3割あるとされ、残りは不明という。
喫煙は、多くの種類のがんで発病リスクを引き上げている。
喫煙が原因のがんは、がん全体のうち、男性では約3割、女性では5%だった。
受動喫煙でも原因になる。
吸わない人も、たばこの煙に近づかないよう気をつける必要がある。
喫煙が原因のがんは、がん全体のうち、男性では約3割、女性では5%だった。
受動喫煙でも原因になる。
吸わない人も、たばこの煙に近づかないよう気をつける必要がある。
喫煙と感染をなくすことができれば、日本人のがんは3割程度減る計算になる。
<飲酒>
飲酒が原因のがんは、男性では約1割。
一方、ほどほどの量ならば、がん以外も含めた死亡率全体を下げるという研究結果もある。
飲むのならアルコール量で1日23グラム程度。
これは日本酒1合、ビール大瓶1本程度に相当する。
飲酒が原因のがんは、男性では約1割。
一方、ほどほどの量ならば、がん以外も含めた死亡率全体を下げるという研究結果もある。
飲むのならアルコール量で1日23グラム程度。
これは日本酒1合、ビール大瓶1本程度に相当する。
<塩分>
塩分が胃がんのリスクを高めることは「ほぼ確実」だ。
国際的には1日5、6グラムが目標とされる。
ただ、がん研究センターは男性9グラム、女性7・5グラムとしている。
5、6グラムでは日本食が成り立たなくなってしまう。
食品成分が食塩ではなく、ナトリウムで表示されている場合は、ナトリウムを2・54倍すると塩分量になる。
塩分が胃がんのリスクを高めることは「ほぼ確実」だ。
国際的には1日5、6グラムが目標とされる。
ただ、がん研究センターは男性9グラム、女性7・5グラムとしている。
5、6グラムでは日本食が成り立たなくなってしまう。
食品成分が食塩ではなく、ナトリウムで表示されている場合は、ナトリウムを2・54倍すると塩分量になる。
<野菜・果物>
野菜や果物は、不足すると食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げる。
1日あたり400グラムの摂取が目標とされ、野菜を小鉢で5皿分と、果物1皿分を合わせた程度になる。
熱い飲食物も食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げるという。
野菜や果物は、不足すると食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げる。
1日あたり400グラムの摂取が目標とされ、野菜を小鉢で5皿分と、果物1皿分を合わせた程度になる。
熱い飲食物も食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げるという。
<肥満・痩せすぎ>
肥満ややせ過ぎも影響する。
体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割ったBMI値が、30以上でがんのリスクを明らかに高めるが、日本人で該当する人は少ない。
欧米人とは異なり、太り過ぎよりやせすぎの方が寿命を縮めているという。
中高年では男性がBMI21~27、女性は19~25を適正範囲としている。
肥満ややせ過ぎも影響する。
体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割ったBMI値が、30以上でがんのリスクを明らかに高めるが、日本人で該当する人は少ない。
欧米人とは異なり、太り過ぎよりやせすぎの方が寿命を縮めているという。
中高年では男性がBMI21~27、女性は19~25を適正範囲としている。
<運動>
リスクを下げそうなのは運動だ。
大腸がんには「ほぼ確実」、乳がんには「可能性あり」と判定されている。
デスクワークの多い人には、毎日1時間程度の歩行と週1回30分程度のランニングなどが勧められている。
リスクを下げそうなのは運動だ。
大腸がんには「ほぼ確実」、乳がんには「可能性あり」と判定されている。
デスクワークの多い人には、毎日1時間程度の歩行と週1回30分程度のランニングなどが勧められている。
<コーヒー>
コーヒーも肝がんのリスクを下げるという研究結果がある。
さらに詳しいデータが必要で、ふだん飲んでいない人に無理に飲むよう勧める段階ではない。
コーヒーも肝がんのリスクを下げるという研究結果がある。
さらに詳しいデータが必要で、ふだん飲んでいない人に無理に飲むよう勧める段階ではない。
もっとも当てにならないのは「権威のある人が効くと言っている」だ。
ある地域はがんが少なく、そこではある食品をたくさん食べているから、その食品はがんを抑えるという三段論法も根拠は弱い。
ある地域はがんが少なく、そこではある食品をたくさん食べているから、その食品はがんを抑えるという三段論法も根拠は弱い。
イソフラボンの研究のように、大規模な集団の生活習慣を調べ、がんなどの発病率を長期間追って関係をみる方法は信頼度が高い。
もっとも強い根拠になるのは、介入試験という方法だ。
集団をほぼ同じ条件で複数のグループに分け、ある食物成分などをとるかとらないかによって効果に差が出るかを比較する。
ただ、たばこなどがんのリスクを上げることが予想される場合は倫理的に介入試験はできず、追跡調査の積み重ねで確かめる。
集団をほぼ同じ条件で複数のグループに分け、ある食物成分などをとるかとらないかによって効果に差が出るかを比較する。
ただ、たばこなどがんのリスクを上げることが予想される場合は倫理的に介入試験はできず、追跡調査の積み重ねで確かめる。