ヘバーデン結節

ヘバーデン結節

はじめに
約二百年前、英国の医師ヘバーデンが初めて報告しました。
かつては珍しい病気でしたが、最近は日本でも患者が増えています。
指先の、つめに近いほうの関節を俗に第一関節と呼びますが、ここが変形して、指が勤かしにくくなったり、痛んだりする病気です。

どのように変形するのか?
第一関節は二つの骨でできていますが、指先に近い側の骨の根元の背が異常に出っ張ってきます。見た目には関節の背にこぶができて、関節が少し内側に曲がった格好になります。
レントゲン写真を撮ると、骨の出っ張りが見えるほか、関節のすき問が狭くなったり、関節を形成する軟骨が破談されたりしている様子がわかります。

この病気の場合、何らかの原因で第一関節だけ変形します。
全身の関節に変形の起きることがあるリウマチとは対照的です。

どんな症状か?
最初は痛みが強く、指を勤かすのもつらいのですが、ある時期になると、こんどは痛みがなくなるのが特徴です。
病気はゆっくり進行して、痛みが消えるまで半年から数年ぐらいかかります。
病気が進むと第一関節があまり曲がらなくなりますが、もともと曲がる角度の小さい関節なので、日常生活にそれほど不自由はありません。

どんな人に多いのか?
中年以上の女性で、特に手をよく使う人に多いようです。
男性は女性の十分の一ぐらいといわれています。

原因は?
はっきりしていません。
外傷、洗剤など薬品の刺激によるという説やホルモンが関係しているという説がありますが、発生率の男女差が大きいことや、兄弟姉妹で起きやすいことなどから、遺伝的な要因も考えられています。

治療は?
残念ながら、あまり良い治療法があるとはいえません。
病気の初期は、とくに寒い時期に痛みが激しいので、指を保温して血のめぐりをよくすることが大切です。
消炎鎮痛剤や貼り薬が効く場合もあります。
対症療法を続けながら痛みが消えるのをを待つ、というのが一般的な治療法です。
 

参考
慢性関節リウマチ 
ー種の骨の変形症であるヘバーデン結節と違い、初期に指の第二関節にこわばりやはれができて、こぶしや手など全身の関節に炎症が広がることが多い。
血液検査で反応が出ることでも区別できる。
消炎鎮痛剤が比較的よく効くが、症状が進むと日常生活にも支障が出る。

朝日新聞・1996.6.2




ヘバーデン結節・ブシャール結節
http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/12hevardenbusharu.html

指の変形、原因はホルモンバランス
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84786520U5A320C1000000/