夏場のお弁当

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最近、食中毒の患者さんが目立ちます。
しかし、食中毒は年中起こるのです。
本人はもちろんのこと、診療する側の見落としも結構あります。

しっかり加熱  おかず仕切って十分冷ます

梅雨時から夏場にかけ、気温や湿度が上昇すると気になるのが食中毒。
屋外で持ち歩くことが多いお弁当は特に注意が必要だ。
弁当箱の選び方、おかずを詰める際の注意点など家庭でできる対策を
まとめた。


最初に、自治体に届け出があった食中毒の発生事例をいくつかみてみよう。
▼事例1  2007年9月、埼玉県内で運動会に持参した手作り弁当を
食べた家族、親類の計6人のうち4人が下痢や発熱を訴えた。
おかずは卵焼き、から揚げ、漬物、ホタテのバター焼きなど。
病因物質はサルモネラ属菌。

このケースでは原因食品を特定できなかったが、患者から検出された菌で
食中毒と判断された。
サルモネラによる食中毒は食肉や卵などが原因食品となることが多く「十分
に加熱をしていなかったか、気温が高い屋外の運動会で菌が増殖しやすい
状況にあったことが原因と考えられる」と埼玉県保健医療部。

▼事例2 2006年8月、神奈川県内で会社のグループが河川敷でバーベ
キューをした際、持参したおにぎりを食べた13人が嘔吐(おうと)、腹痛
などを訴えた。
このうち1人は入院した。
病因物質は黄色ブドウ球菌

神奈川県保健福祉部によれば、黄色ブドウ球菌は人の皮膚などにいる菌。
菌が付着した手などを介して食品が汚染され、菌が増殖する際にできる毒素
が食中毒の原因になる。
「おにぎりはラップを使って握るなど、調理する時はできるだけ食品に触ら
ないようにすることが予防策だ」

厚生労働省がまとめた2007年の食中毒発生状況によると、原因施設は飲食店
が全体の5割程度で最も多く、家庭は約1割で2番目。
ただ、日本食品衛生協会(東京都渋谷区)の常務理事、高谷幸さんは「家庭で
調理した食品による食中毒は保健所などに届け出がないケースも多いと考え
られる。症状が軽いものも含めて、実際はもっと多いのではないか」とみる。

     ◎  ◎

調理後にすぐ食べることが多い家庭での食事と違い、お弁当は「容器に詰める」
「持ち運ぶ」といった過程で食中毒になる可能性が増すと考えられる。
作業の手順を追って、注意点を整理してみよう.


最初は弁当箱選び。
「角が丸いものを選んだほうがいい」と高谷さん。
理由は「隅々まで洗いやすいから」。
弁当箱はよく洗い、乾燥させてから使うのが基本。
四角い箱の場合、隅に食べ残しがこびりつき細菌の「隠れ家」になりやすいので
注意が必要だ。

調理の前に手を洗うことはもちろん、まな板や包丁もしっかりと洗い、清潔な
ものを使う。
東京ガス「食」情報センターの小西雅子さんは「食中毒を予防するため、生の
肉や魚を切った包丁やまな板は、食材を切るたびに洗うように心がけることが
大切」とアドバイスする。

     ◎  ◎

調理のポイントは、食中毒菌を死滅させるための十分な加熱だ。
小西さんは「忙しい朝に弁当を作るときは、グリルを使うと短時間で火が通り、
水分を飛ばすことができる」と話す。
実際にグリルを使って小西さんに作ってもらったのは、焼きトウモロコシや
鶏肉のハーブ焼きなど。
網に一度に並べて焼き、10分程度でおいしそうな焦げ目がついたおかずが
できた。
「肉の厚い部分には火が通りやすいように切り込みを入れておくこともコツ」

弁当箱に詰める時は「おかず同士がふれあわないよう、仕切りをきちんと
つくるといい」(小西さん)。
これは万一、一つのおかずが傷み始めた場合、それが他の食材に移ることを
防ぐため。
おかずを詰めたら、フタをする前に十分冷ますことも大事なポイントだ。
日本食品衛生協会の高谷さんは「細菌が増殖しやすい温度帯は36~37度。
これに水分が加わると菌が『元気いっぱいの状態』になる」という。

お弁当は食べるまでの時間にも気を使おう。
できるだけ涼しい場所に保管する、早めに食べることを心がけるほか、保冷剤
などを使って食べ物の温度が上がらないようにする方法もある。

出典 日経新聞・朝刊 2007.6.14
版権 日経新聞 


<自遊時間>
■ 今回の岩手・宮城内陸地震
しばしばニュースで一関市が出てきます。
私は趣味でジャズも聴きますが、ジャズ愛好家で一関市の「べイシー」という
ジャズ喫茶を知らない人はモグリともいわれます。
被害はなかったんでしょうか。
心配です。


■ NHKの9時のニュースで「沖縄では梅雨明け。ニイニイゼミが鳴き始めた」
と報道していました。
日本も広い(長い?)ですね。

梅雨明け:沖縄地方で 統計史上3番目に短い26日間
沖縄気象台は17日、沖縄地方が梅雨明けしたとみられると発表した。5月
22日の梅雨入りから梅雨明けまで26日間で、統計を取り始めた1951年
以降では、63年の11日間、71年の21日間に次いで3番目に短い梅雨
だった。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20080618k0000m040025000c.html


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