コレステロール  「トランス」に注意

トランス脂肪酸は植物油を硬くしたり、長持ちするために水素を添加したときに発生したり
する物質です。
このトランス脂肪酸は実に多くの食品に含まれていて、身近なところではマーガリン、パン、
ケーキ、スナック菓子などに含まれています。
したがって商品としてのこれらの食品を口に入れると、自然にトランス脂肪酸を体内にいれる
ことになります。

天然に存在しているものではないために、体内に蓄積されると心臓病や脳卒中不妊症などの
症状が現れる可能性があるといわれています。
トランス脂肪酸を減らそうとする動きは世界的に広まっており、アメリカやカナダでは
トランス脂肪酸の表示が義務付けられています。

一方日本では厳しく規制されていません。

トランス脂肪酸に注意

「食物繊維は腸でコレステロ-ルを吸着し、体の外に出してくれます」。
健康関係のチラシには、そんな説明がよくある。
でも、水溶性の食物繊維を1グラム多くとった時に期待できる総コレステロール値の低下は、
1.1ミリグラムほどとされる。

血中値は高いと280ミリグラムを超える人もいる。
生しいたけ100グラムには食物繊維が総量3.5グラムあるが、うち水溶性は0.5グラム
しかない。
パワーは十分とはいえず、食物繊維をあてにし過ぎるのはよくない。
 
値があまり高くなるのは、やはり避けたい。
そのためにはまず、肉類に多い飽和脂肪酸の摂取を控えめにすることが大切だ。
それと、マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸にも注意がいる。
 
ある種のトランス脂肪酸は、コレステロールの中でも悪玉とされるLDLを上げ、善玉とされる
HDLを下げる。
とる量が増えるほど、心筋梗塞のリスクが高まるという。
 
飽和脂肪酸は適量なら、脳出血を予防する効果がある。
だがトランス脂肪酸は、こうした健康への利点が知られていない。
 
日本人がとるトランス脂肪酸は、総摂取エネルギーの0.3~0.7%といわれ、「少ないので
心配はない」との意見もある。
一方、米ハーバード大などのグループは「健康被害を避けるには0.5%未満に」と提言する。
日本はぎりぎりだ。
 
カリフォルニア州で7月、トランス脂肪酸を含む食品を州内の飲食店から追放する内容の
州法ができた。
国立健康・栄養研究所の江崎治・基礎栄養プログラムリーダーは「日本も何らかの規制を考える
べきだ」と言っている。 
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出典 朝日新聞・夕刊 2008.8.11
版権 朝日新聞社

<関連サイト>
トランス脂肪酸と精製植物油
http://blogs.yahoo.co.jp/notransjp/15293868.html
トランス脂肪酸を含むマーガリンは危険!
http://www.g-live.jp/shokuanzen/shokuanzen25.html
日本における食品中のトランス脂肪酸含有率
http://blogs.yahoo.co.jp/lapis_tmk_o3/15757012.html
NHKのほっとモーニングでトランス脂肪酸の問題点を捉えています。
http://blogs.yahoo.co.jp/toranskk/7765601.html


<きょうの一曲>
Ma solitude
http://jp.youtube.com/watch?v=qSZKO5K2eTE&feature=related

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