猫背を改善するには

猫背改善するには イス調整など環境を整える

長時間のパソコン作業で、つい猫背になっていないだろうか。
意識して背筋を伸ばしても、気づけばまた元通りの姿勢になってしまう。
ふだんの生活で取り組める対策は?

「にゃー」。
パソコンのスピーカーから可愛い猫の鳴き声が響く。
画面上部には小さな猫のイラストと「Nekoze!」という文字が表示される。
 
猫背チェックの無料アプリ「Nekoze」は、Macのパソコン(OS X 10.7以降)用で内蔵カメラを活用。
猫背になって顔の位置が下がったり、画面に近づいたりすると、音声と文字で注意してくれる。
 
一度は背筋を正しても、再び猫背になってしまうと、「にゃー」。
姿勢を意識する習慣は身につきそうだ。
 
大人の正常な背骨の形は首と腰の部分がやや前に、胸の部分が少し後ろに曲がり、ゆるやかなS字を描く。
一方、猫背は胸の部分が深く曲がっている。
人の体は全体で重心のバランスを保とうとするため、腹が前に出るなどして、さらに姿勢が悪くなる。
 
原因は人それぞれだが、長時間のパソコンや、下を向いて手元のスマートフォンを見続けることも要因の一つとなる。
放っておくと、食道や胃が圧迫され、機能が悪くなるおそれもある。
  
   *  *
 
姿勢を直そうと意識しても、持続するのは難しい。
背中が丸まらないように腰を反らせる人もいるが、きれいな姿勢を勘違いしている人が多い。
直すべきは背骨の胸の部分。
腰から反ると根本的な解決にならず、腰痛につながることもある。
 
無理に正しい姿勢を保つのはかえってストレスとなる。
背筋を曲げないように、まずはひざ、尻から腰にかけての角度が90度になるようにイスの高さを調整するなど、環境を整えるほうがよい。
今のライフスタイルの積み重ねが、将来の姿勢を作る。
  
   *  *

猫背のままパソコン作業を続けると、肩が前方に出て大胸筋が縮こまり、肩こりなどの原因にもなる。
この状態を習慣にしないようにするため、座ってできる大胸筋のストレッチがよい。
 
まず、ひじを内側、手のひらを外側に向けて腕を伸ばし、口から息を吐きながら胸をはる。
肩を後方に引いて、左右の肩甲骨を互いに近づけることで、大胸筋が伸びる。
 
また猫背の人は、頭が画面に近寄って首の前方の筋肉が伸びきった状態になりがちだ。
首の体操も合間に挟むと良いという。あごを引いた状態を5秒程度キープ。
ただうなずくだけでなく、背筋を伸ばして首全体を後方に引くことを意識する。

<アプリで体の傾き数値化> 
スマートフォン向けの無料アプリ「姿勢CHECKER」(MEDIC ENGINEERING)は体の傾き具合を数値化してくれる。
起立した全身を横から撮影。
画面上の5つの赤いマークを耳・肩・腰・ひざ・足首の位置に合わせると、垂直線に対する首と体の角度がわかる。
ただし、疾患の診断をするものではない。

<デスクでの目線はやや下> 
書籍「デスクワークの肩こり・腰痛・身体疲れを取る」(実務教育出版)では、疲れ知らずのポジショニングとして、パソコン画面までは腕を伸ばした長さ▽目線は5~20度、やや下方を向く▽ひざや、尻から腰までの角度が90度に保てるイスの高さなどを勧めている。

<痛みを感じる場合は受診> 
肩や腰に痛みを感じる場合は、単に姿勢が悪いだけでなく、背骨の胸の部分が過度に曲がっている後弯症という病気が原因の可能性もある。

 
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参考
朝日新聞・朝刊  2016.6.12


 
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                長野・蓼科湖 湖畔にて 2016.7.17撮影