トクホ、信じて大丈夫? 初の取り消し 事後チェック求める声
健康にいいと国が「お墨付き」を与えた特定保健用食品(トクホ)をめぐり、消費者庁は先月、初の許可取り消しに踏み切った。
健康ブームに乗り市場を成長させたトクホだが、許可後のチェックがない今の制度を不安視する声も上がる。
先月、日本サプリメント(大阪市)が自社のトクホ6商品の有効成分が規定値不足だったと消費者庁へ報告。
同社は昨年4月までに自主検査で把握しながら、1年半にわたり販売を継続。
同庁はこれを悪質として初めて許可を取り消した。
トクホ制度は1991年に開始。
根拠があいまいな「健康食品」が多い中、基準を陶たす商品を明示する狙いだった。
メーカーは試験機関による有効成分の分析結果を示し、効果と安全性の審査を経て国が許可する。
許可されれば、商品に「血圧が高めの方に適する」などの効能を表示できる。
ヒット商品も相次ぎ、市場は拡大。
昨年度のトクホ商品の総売り上げは6400億円、現在の許可・承認件数は1271件にのぼる。
後押ししたのが、政府による規制緩和だ。
トクホは当初は2年ごとに審査をやり直す更新制だったが、96年に4年更新に。
翌年には更新制が廃止された。
一方で近年、国は制度の見直しも求められていた。
内開府の消費者委員会は2011年、販売中のトクホ商品の安全性に疑いが出たことを受け、更新制に戻すことを提言。
だが消費者庁は「廃止の経緯などを踏まえ、慎重に検討する必要がある」と答えるにとどまっていた。
取り消し処分を受け、消費者庁はトクホ全商品について最新の成分調査の提出をメーカーーに指示。
同庁も、店頭で一部商品を買って成分を調べる抜き打ち調査を年度内に始めることを決めた。
「国も企業側も事後チェックに責任を持つ制度に改めるべきだ」と言う声もある。
更新制廃止が背景
有効成分の含有量はトクホ許可の根幹であり、満たさない商品を販売していたメーカーの責任は大きい。
だがそれを見過ごした背景に、国による更新制から永久許可制への切り替えがあるのは否めない。
消費者庁幹部も「現制度では企業の良識に期待せざるをえない」と認める。
全数調査の報告期限は今月26日。
消費者庁は「結果次第で対応する」というが、結果にかかわらず、国が制度の見直しに取り組むことが、トクホの信頼回復につながるのではないだろうか。
(内容は2016年10月時点のものです)
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2016.10.21
<関連サイト>
「特定保健用食品(トクホ)」とはなんですか?
https://www.suntory.co.jp/customer/faq/001935.html
「トクホ」と「機能性表示食品」の違い
https://www.suntory.co.jp/softdrink/kenkounavi/compare/
特保(特定保健用食品)とは?
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-001.html
トクホは効くの? 効かないの?(前篇)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/2112
特定保健用食品(トクホ)とは
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/sp_health.php
栄養価が高いスーパーフード 賢く取る方法
https://osler.hatenadiary.org/entry/43964535
特定保健用食品表示許可商品一覧
http://www.jhnfa.org/tokuho-0.html
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https://osler.hatenadiary.org/entry/43779578
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https://osler.hatenadiary.org/entry/43510378
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https://osler.hatenadiary.org/entry/43314125
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